筋肥大は1セットでもOK?最新研究から考える効率的な筋トレ方法
「筋肉を大きくするなら、1種目3セットは必須」
筋トレを始めたばかりの方は、こんな話を聞いたことがあるかもしれません。
しかし、実は筋肥大に必要なのは、単純に「セット数を増やすこと」だけではありません。
近年の研究では、1セットでも筋肥大や筋力向上が起こる可能性が示されています。
もちろん、「1セットだけやれば十分」という意味ではありません。
重要なのは、
「どれくらい筋肉に刺激を与えられているか」
ということです。
この記事では、筋肥大とセット数の関係を初心者にもわかりやすく解説しながら、忙しい人でも実践しやすい筋トレ方法や、トレーニング効率を高めるおすすめアイテムを紹介します。
筋肥大には本当に3セット必要?
結論からいうと、
筋肥大を起こすために、必ず1種目3セット必要というわけではありません。
1セットでも、十分な強度でトレーニングを行えば筋肉の成長につながる可能性があります。
特に、
- 筋トレを始めたばかり
- トレーニング時間があまり取れない
- 自宅で短時間しか運動できない
という方にとっては、非常に重要なポイントです。
ただし、
「じゃあ毎回1セットだけでOK!」
と考えるのは少し早いです。
筋肥大を効率よく狙うには、セット数だけでなく、トレーニング強度や継続性も考える必要があります。
2025年の研究で「1セット」の効果を検証
2025年に発表された研究では、筋トレ経験のある男女42名を対象として、8週間のレジスタンストレーニングが行われました。
比較されたのは、
グループA
1セットを限界まで行う
グループB
「あと2回程度できる」ところで終了する
という2つの条件です。
その結果、どちらのグループでも筋厚の増加が確認されました。
つまり、
1セットでも筋肥大は起こり得る
ということです。
さらに、限界まで行ったグループでは、筋持久力や筋パワーなどでも大きな改善が見られました。
ここからわかるのは、
「何セットやったか」だけではなく、「1セットをどれだけ質の高いものにできたか」も重要
ということです。
重要なのは「セット数」よりトレーニング強度
では、なぜ1セットでも筋肉が成長するのでしょうか?
その理由のひとつが、筋肉に十分な刺激を与えることです。
たとえば、20回以上できるような軽い重量で5回だけトレーニングして終わった場合。
「1セットやった」という事実はありますが、筋肉に十分な刺激を与えられていない可能性があります。
一方、
「あと1〜2回しかできない」
というところまで追い込めば、1セットでも強い刺激を与えられます。
この「あと何回できるか」を表す考え方が**RIR(Reps In Reserve)**です。
RIRの簡単な考え方
- RIR 5 → あと5回くらいできる
- RIR 3 → あと3回くらいできる
- RIR 2 → あと2回くらいできる
- RIR 1 → あと1回くらいできる
- RIR 0 → もう1回もできない
初心者の場合は、まずRIR1〜3程度を目安にするとわかりやすいでしょう。
ただし「限界まで追い込む」のは簡単ではない
ここには初心者が注意したいポイントがあります。
「あと2回できると思って終わった」
としても、本当にあと2回だったとは限りません。
実際には、
「あと5回くらいできた」
というケースもあります。
特に筋トレ初心者は、自分の限界がどこなのかを判断するのが難しいからです。
そのため、
「1セットで十分だから適当に1セット」
では効果を十分に引き出せない可能性があります。
フォームを崩さず、適切な重量で、筋肉にしっかり刺激を与えることが大切です。
筋肥大なら「セット数を増やす=正解」ではない
では、セット数を増やせば増やすほど筋肉が大きくなるのでしょうか?
これも単純ではありません。
セット数を増やせばトレーニング量は増えますが、
- 疲労が大きくなる
- 後半のセットで重量が落ちる
- 集中力が低下する
- 回復に時間がかかる
といった問題も出てきます。
そのため、
「とにかくたくさんやる」よりも「必要な量を高い質で行う」
という考え方が重要です。
上級者になるほどセット数も重要になる
一方で、筋トレ経験が長い人は話が変わってきます。
2024年のメタ分析では、筋肥大について週あたりのセット数が増えることで効果が高まる傾向が検討され、週10セット前後がひとつの目安として示されています。
つまり、
初心者
少ないセット数でも十分な刺激を得やすい
↓
中級者
少しずつトレーニング量を増やす
↓
上級者
セット数や頻度などを細かく調整する
という考え方ができます。
「1セットで筋肥大する」という情報だけを見て、上級者までずっと1セットに固定する必要はありません。
忙しい人ほど「短時間で質の高い筋トレ」を
仕事や家事で忙しい30〜40代の方の場合、
「ジムに行っても1時間以上トレーニングする時間がない」
ということも珍しくありません。
そこで重要になるのが、
短時間でも集中してトレーニングすること。
たとえば、
- 胸
- 背中
- 脚
- 肩
などの大きな筋群を中心に種目を選び、無駄な時間を減らしていきます。
「時間がないから筋トレできない」
ではなく、
「限られた時間で何をするか」
を考えることが、継続には重要です。
筋肥大を狙うなら「重量」も記録しよう
筋肉を成長させるためには、同じトレーニングを永遠に繰り返すだけではなく、少しずつ負荷を高めていくことも重要です。
たとえば、
1週目
10kg × 10回
↓
2週目
10kg × 11回
↓
3週目
12kg × 10回
というように、
重量・回数・フォームなどを少しずつ改善する
ことを意識してみましょう。
これがいわゆる「漸進性過負荷」という考え方です。
自宅筋トレならダンベルが便利
「ジムに行く時間がない」
という方には、自宅用のダンベルも選択肢になります。
ダンベルがあれば、
- ダンベルプレス
- ダンベルローイング
- ショルダープレス
- ブルガリアンスクワット
- アームカール
など、さまざまな種目を行えます。
特に重量を細かく変更できる可変式ダンベルなら、筋力の成長に合わせて負荷を調整しやすいのがメリットです。
▼ 自宅で本格的に筋トレしたい方はこちら
「省スペース」「重量変更が簡単」「長く使える」
といったポイントを基準に選ぶと、自宅トレーニングを継続しやすくなります。
筋トレ後の栄養も忘れずに
筋肉を増やしたいなら、トレーニングだけでなく栄養も重要です。
特に意識したいのがたんぱく質。
肉、魚、卵、大豆製品、乳製品などから摂取できます。
しかし、
「毎日の食事だけでは必要量を確保するのが難しい」
という場合には、プロテインを活用する方法もあります。
プロテインはあくまで食品なので、食事の代わりにするのではなく、
「不足したたんぱく質を補う」
という使い方がおすすめです。
▼ 手軽にたんぱく質を補給したい方はこちら
筋肥大を効率化したい人におすすめのアイテム
筋トレを継続するなら、トレーニング環境を整えることも大切です。
たとえば、
可変式ダンベル
自宅でさまざまな種目を行いたい人向け。
トレーニングベンチ
胸・肩・脚などの種目を増やしたい人向け。
プロテイン
食事だけではたんぱく質が不足しやすい人向け。
パワーグリップ
背中のトレーニングで握力が先に疲れてしまう人向け。
無理に全部揃える必要はありません。
自分の目的に必要なものから1つずつ取り入れることをおすすめします。
「1セット筋トレ」は初心者にも使える?
ここまで読んで、
「じゃあ今日から全部1セットにしよう!」
と思った方は、少し待ってください。
今回の研究から言えるのは、
1セットでも筋肥大が起こり得る
ということであって、
「1セットが3セットより優れている」
ということではありません。
筋肥大を効率よく狙うなら、
- トレーニング強度
- セット数
- 頻度
- 栄養
- 睡眠
- 継続期間
をまとめて考えることが大切です。
筋肥大のために初心者が意識したい5つのポイント
最後に、初心者が実践しやすい形にまとめます。
① 正しいフォームを身につける
重量を上げることだけを目的にせず、狙った筋肉を使えるフォームを優先しましょう。
② RIR1〜3程度を目安にする
「まだまだ余裕」という状態で終わらず、ある程度筋肉を追い込みます。
③ 少しずつ負荷を上げる
回数や重量を記録して、前回より少しだけ成長することを目指しましょう。
④ たんぱく質を確保する
筋肉の材料となるたんぱく質を、毎日の食事からしっかり摂取しましょう。
⑤ 継続する
1週間だけ頑張るより、無理なく数か月続けられる方法を選ぶことが大切です。
まとめ|筋肥大は「量」だけで決まらない
今回のポイントをまとめると、
- 1セットでも筋肥大は起こり得る
- 重要なのはトレーニングの質と強度
- 初心者は限界の判断が難しい
- 上級者ではセット数を増やすことも重要
- 「多ければ多いほど良い」とは限らない
- 重量や回数を少しずつ伸ばすことが大切
- 栄養や睡眠も筋肥大には欠かせない
ということです。
筋トレでは、
「何セットやったか」だけを見るのではなく、「その1セットからどれだけ質の高い刺激を得られたか」
を意識してみてください。
そして、忙しくてトレーニング時間を確保しにくい方こそ、効率を意識した筋トレを取り入れてみましょう。
自宅で筋トレするなら、可変式ダンベルやトレーニングベンチなどを活用することで、限られたスペースでもトレーニングの幅を広げられます。
▼ 筋トレを始めるなら、まずは必要なアイテムからチェック
「何を買えばいいかわからない」という方は、最初からすべて揃える必要はありません。
自分のトレーニング環境と目的に合ったものを選ぶことから始めてみてください。
参考文献
- Hermann T, et al. Without Fail: Muscular Adaptations in Single-Set Resistance Training Performed to Failure or with Repetitions-in-Reserve. Medicine & Science in Sports & Exercise. 2025.
- Pelland J, et al. The Resistance Training Dose-Response: Meta-Regressions Exploring the Effects of Weekly Volume and Frequency on Muscle Hypertrophy and Strength Gain. 2024.
- Schoenfeld BJ, et al. Single-set vs. multiple-set resistance training and muscle hypertrophyに関する研究。
- Qin X, et al. Gauging proximity to failure in the bench press. BMC Sports Science, Medicine and Rehabilitation. 2025.
